top of page

アーカイヴ

D i g i t a l    B o o k    C o l l e c t i o n
北一文庫の電子書籍ラインナップ 

服部真澄の 既刊を続々刊行中

書き下ろし最新刊
cover15-small_edited.jpg

●名画で読む服部真澄の伊勢物語絵解き

 平安王朝を舞台に描かれた伊勢物語は、とある男の華麗かつほろ苦い恋模様の物語。その見せ場の多さから、時代を超えて絵画化されてきた。伊勢物語絵巻や絵入りの本は古くから珍重され、有名な段の内容は戦前までの各時代に繰り返し読み継がれ、名場面ともいえる絵柄がおおむね共通理解されていた。

本書では、そのバトンを次代に引き継ぐことを念頭に、数々の伊勢物語絵巻や絵本・屏風・軸・扇面図画資料より昔男・業平の心情が描かれた物語絵250点を照覧しつつ、画題となってきた名シーンのハイライトを小説家の服部真澄氏が解説。恋の貴公子・業平​の行動が胸に迫るデジタル伊勢物語美術館。

cover-small-4.jpg

●天の方舟

40代にして一流開発コンサルの女性重役にのし上がった黒谷七海は、海外からビジネスクラスで帰国するが、空港で逮捕され……。

ODAによる国際支援に20年携わってきた彼女が、なぜ容疑者となったのか。

巨額の金が夢のように湧き出していた開発援助ラッシュの渦中、インフラプロジェクトが国家レベルの大惨事に。責任の所在はどう問われる……?

国家間互恵や法の狭間に生まれた一利一害を活写し、リベートや政治家への裏金資金がゼネコンからいかにして捻出されていたのかも、つぶさに読める一冊。

cover-big-2.jpg

●ブラッド・ゼロ&クラウド・ナイン

検索エンジンを基幹にした超巨大IT企業でカスタマーサービスを担う木挽橋龍一。取締役会長兼社長の養女の元フィアンセであった彼は、いまや社内でも微妙な立場。そんなところへ、今日も極めつきの特命がまわってきた。

元フィアンセの新しい彼氏は、サッカー界のスーパースター、パブロ・モス。龍一はそのパブロを社命で調査することになり、思いがけない事態に巻き込まれてゆく。スケールを拡大しながら続く連作物語がフルスピードで展開。オーバーロードの脳クラッシュ感満載、服部真澄の真骨頂作品。

エンターテインメント
ryu-cover.jpg

●龍の契り

 香港は、かつてイギリスの植民地だった。アジアの経済的一大拠点でもあったビッグシティを、なぜイギリスはさほど抗いもせず、中国にあっさりと返還したのか……!?

 返還前夜を舞台に、この不可思議な謎を物語る〝密約〟が浮かび上がろうとした。過去の歴史に秘められた闇をめぐって、米・中・英・日各国の思惑が複雑に絡みつつ、謎の密約を奪い合う。

 英中外交の裏に何があったのか、熾烈な争奪戦の勝者は果たして誰なのか。……返還後二十年あまりのいまも制度の狭間で揺らぐ香港。中国という大国が目覚め行くなかで、西洋的な自由と東洋的誇りはいかに共存するべきだったのか──国際知略エンターテインメントの決定版。

washi-cover.jpg

●鷲の驕り

 特許こそが金を生む時代、国際間の法のはざまが巨万の富の行方を決めてゆく。

 現代のエジソンといわれる米国人発明家・エリス・クレイソンの調査を皮切りに、コンピュータ・セキュリティの専門家・笹生勁史が、知的財産をめぐる多国間の激しい駆け引きに巻き込まれる。   

 米国特許法の特異なルールが日本のハイテク産業界を揺さぶり、国防にさえ影響していたとすれば……? 技術盗用に悪用されかねない法の陥穽をクローズ・アップした国際サスペンス。

(第118回吉川英治新人賞受賞作)

deal-cover.jpg

●ディール・メイカー

 アニメ・ファンタジーで大成功した米国メディア企業『ハリス・ブラザーズ』社。シンボリックなクマのキャラクター『デニー』はアメリカのアイドルだ。

 その『デニー』の著作権継承者にして同社の大株主が人事不省となったのを皮切りに、同社の買収合戦が始まる。彼の遺言と、買収のてこになる〝夢〟のような含み資産をめぐり、ビッグ・ディールのシナリオを書いた男がいた。攻防戦のなか、彼はしたたかに望み通りの結果を手にしてゆく。司法の手も彼に迫るが……。ハリウッドを舞台に騙し、出し抜き合う人間たちは、明日に何を見ていたのか。コン・ゲーム要素にも満ちたパワービジネス・エンターテインメント。

bacara-cover.jpg

●バカラ 

 国はなぜ反対論も根強いカジノを合法化したがるのか……? ギャンブルやカジノの収益は、ほぼ永続的にとてつもない利権となる。政財界はそのもたらす利得権益に与ろうと躍起である。

 自らもアングラ・カジノに手を染め、借金だらけの週刊誌記者・志貴は、賭博と金の誘惑にかられ、苦しみながら、仕事では政界汚職を暴こうとする。ところが借金はどんどん嵩み、自らの手には負えなくなってゆく。

 一方、IT長者の日継はプールした金を生かして国外でオンライン・カジノの胴元を始めようとしていた。彼は各国の法の規制を逃れてグレーゾーンへ流出する金を追いかけつつ、日本国内である〝賭け〟を企んでいる。女性記者の明野えみるのインタヴューで明かされた日継流のクーデターとは……。 

   

GMO_1-small.jpg

●GMO(上巻)

日本での名声を失った元ジャーナリスト・蓮尾一生は、翻訳で生計を立てながらアメリカのアナポリスで傷心のまま暮らしている。

 心の支えだった友人を火事で失ったのを契機に、蓮尾は世界でもトップ・クラスの科学ジャーナリスト、レックス・ウォルシュの次作を翻訳したいと本人に直談判する。レックスが取り組んでいるテーマは、巨大なアグリビジネス企業『ジェネアグリ』の手がけるGMO(遺伝子組み換え作物)だった。

 一方、蓮尾はワイン産業絡みの仕事でボリビアに赴き、そこでも『ジェネアグリ』が葡萄に関して始めた研究開発を目の当たりにすることになるが……。

​(新潮文庫では『エル・ドラド』と題しましたが、電子書籍の本作では単行本出版時の原題に戻しました)

GMO2-small.jpg

●GMO(下巻)

 彼らの狙いは、葡萄ではなかった。『ジェネアグリ』は南米大陸を揺るがしかねないある作物をターゲットに、生産の独占支配を企図する。巨大な種苗ビジネス企業が、法の届きにくいフィールドで新種の遺伝子組み換えを悪用したとしたら……? 

 陰謀を解明するさなかに行方を絶った科学ジャーナリスト・レックスの足跡をたどり、翻訳家の蓮尾一生がたどりついた極秘プロジェクトの真相とは……!

 遺伝子組み替えそのものよりも、ビッグ・ビジネスが自然の形を歪めつつ資源と金の流れを左右してゆくことの厄災を、早期から示唆した話題作。 

(新潮文庫では『エル・ドラド』と題しましたが、電子書籍の本作では単行本出版時の原題に戻しました)

hyoshi-smalljpg.jpg

●ポジ・スパイラル

 温暖化防止に手の打ちようがないというのは本当なのか。環境負荷のスパイラルを逆転させ、ポジティブに変えるには、発想の転換が鍵になる……。石油やガソリンに代わるエネルギーが〝獲れる〟とすれば……?

 従来型の開発とエネルギー資源にまつわる利権が生んだ悪循環を、科学の力で好転させる方法が、〝豊穣な海〟にある……。

 東京湾や有明湾に象徴される、懸濁した遠浅の海の再生を絡め、理想的な持続型エネルギーの姿を求める人々を描く環境ポリティカル・サスペンス。

●骨董市で家を買う

 古民家が骨董市で売られているのを目にし、買ってしまった自称「俗物小説家」服部
真澄、家づくりに暴走す。 
 貯金ナシ定期収入ナシ、それでもこんな家が欲しい!
 家づくりの深みにはまった人間の底ナシ沼のおかしさ、辛さ、そして不思議な知恵が満載の住居小説。

cover-small.jpg

●清談 佛々堂先生

ブツブツ文句を言いながら、ワンボックス・カーで全国を東奔西走する「けったいなおっちゃん」は、実は知る人ぞ知る風流人だった──!

現代の魯山人とも呼ばれる、神出鬼没の佛々堂先生が夢幻の世界を奔走し、無理難題を解決する、心温まる冒険譚。

COVER-small-2.jpg

●極楽行き (続・清談 佛々堂先生)

 稀代の粋人は、風来坊のようにふらりと現れる──? 

 すり切れたシャツにデニム姿の「おっちゃん」が、荷物を山積した古びたワンボックス・カーを乗り回しつつ、時にはユーモラスに、時には美的に各地を大爆走。

 さりげなく心を砕き、難事を打開する風流人・佛々堂先生のはからいを描いた続編。

exa-small.jpg

●エクサバイト

視聴画像記録メディア〝ヴィジブル・ユニット〟を一人一人が眉間に搭載し、自分の一生を遺産として残すことが流行しはじめた。

そんななか、各界のVIPが見聞きしているさなかのデータをビジネスに結びつけ成功したプロデューサー・ナカジは、あるグローバル巨大企業から極秘のプロジェクトを持ちかけられる。

豆ほどのメディアに個人が記録した一生分の視聴データは、どう扱われようとしているのか……? 

個々人から組織に至るまで、記録の本質をめぐる名利や欲求の構図が描かれた近未来エンターテインメント。

KATANA-small.jpg

●KATANA カタナ

国の代わりに戦争の現場を請け負い、ビジネスにする民間軍事コングロマリット。元エリートの中年組・兵藤理人は国際公務員を経て軍事ビジネス企業体の一社に所属する一方、ひょんなことからアメリカの銃規制プロジェクトに関わることとなる。その兵藤を取材対象として追う、日本国営放送でフリーリサーチャーとして働く黒崎ケイも、彼女なりの手探りで真相に近づいてゆくが……。

謎の人物たちが華麗かつ複雑に絡み合うなか、果たしてホワイトハウスの真の意向は明らかになるのか……? 

これまで袋小路の様相を呈していた銃問題の未来を、予想外のアプローチで拓く一篇。

(角川書店刊の文庫本では『KATANAプロジェクト』と題しましたが、電子書籍の本作では単行本出版時の原題に戻しました)

cover-small-3.jpg

●深海のアトム

「アトム」は原子と訳されているが、そもそもの語源は「これ以上ないほど微少なもの」──。

科学の世界では、目には見えない微生物やバクテリア研究が新たなカギになり、世界中が夢中になってトレジャー・ハンティングなみの発掘調査を続けている。

日本の総産大ラボで極限環境微生物資源を研究する亜斗夢(あとむ)は、地元の少年カイの見つけた謎の物質の解明に取り組むが、沿岸を未曾有の大震災と津波が襲い……。

大災害や利権をめぐる複雑な人間関係に誰もが苦しむなか、傷ついてゆく豊穣な海や大打撃を受けた漁業をいかに取り戻すのか。

人智を超える微生物の力が示唆する未来を描きつつ、諦めない手法をリアルに活写した冒険ロマン。

歴史小説

I'M AN ORIGINAL CATCHPHRASE

平家三代・上.jpg

●平家三代 海国記(上)

 平安時代の終わりに栄華を誇った平家は、財をどのように築いたのか。

 警察機構の下役人・平正盛は有力な権力者と邂逅したのをきっかけに、瀬戸内海運京船の重要な拠点、備前を任国とする受領へと出世する。その子忠盛は昇殿を許され、財物がふんだんに流れる最高の貿易拠点・播磨守を任じられた。

 唐物の流れる海の道を舞台に、日宋貿易を牛耳った者たちがいた……。謎めいた女性にして白河院の寵姫・祇園女御のロマンを絡め、武運のみならず、海洋経済力の視点から平正盛・忠盛・清盛の興隆と交易との関わりを描き直した大河小説。

(新潮社刊単行本では『海国記』と題しましたが、中央公論社刊文庫本と電子書籍の本作では『平家三代 海国記』と改題致しました)

平家三代・下.jpg

●平家三代 海国記(下)

 海の道を知り尽くし、瀬戸内海を宋船の通れる道に開削、厳島社や大和田泊を交通の拠点とし遂げた清盛は、押しも押されもせぬ貴族となり、太政大臣にまで上り詰めた。安徳天皇は御孫である。この上ない栄誉を得たが、それも束の間、身内びいきから海の道の運び手を軽んじる施策を続けた清盛は、時軸の流れと逆行し、衰運を自ら呼び込んでゆく。

 平家はこの清盛の没落によって滅びたと思われているが、実は別の形で密かに生き長らえた。再びもたらされた海の富による〝平氏末裔〟の栄華の真実とは……?。

(新潮社刊単行本では『海国記』と題しましたが、中央公論社刊文庫本と電子書籍の本作では『平家三代 海国記』と改題致しました)  

saisho-jyo-s.jpg

●小説空海 最勝王(上

 現在、過去、未来──、人は生きて苦しみ、死にも苦しむ。迷いの海を渡り、生滅を超えてゆく道を、何が教えてくれるのか──? 渡来の学問・仏教に光明を見、学びながらも、我が国にある経典が示す答えにはとうてい納得できない若者がいた。自身にさえある正邪の揺らぎを実感しつつ、仏教の「虎の巻」とされる経のなかの経、〝大毘盧遮那成仏神変加持経〟を求めて、彼は渡唐を目指す。

(中央公論新社刊行本では『最勝王』と題しましたが、電子書籍の本作では『小説空海 最勝王』と改題致しました)

saisho-ge-s.jpg

●小説空海 最勝王(下)

 帰朝して僧・空海となった彼は、仏教の語る菩提(さとり)と平等とを、時の最高権力者である帝たちに向けても説かなければならなかった。空は無量無数であり、すなわちこの世は果てしない宝蔵である。誰しもに埋蔵されている無限の光明──最勝の〝王〟となるべき秘法を、彼はどう教え、万人に向けどう開示したのか。そして、はたしていま、虎の巻の語ったあの秘密はどこへ……?

(中央公論新社刊行本では『最勝王』と題しましたが、電子書籍の本作では『小説空海 最勝王』と改題致しました)

●夢窓

 乱世の南北朝時代、いがみ合う両朝代々の帝がともに国師と仰いだのは、いずれにも味方しない一人の 禅僧だった。相争う後醍醐天皇、北条高時、足利尊氏・直義にも教えを請われ、寂してもなお足利義満に慕われた僧・夢窓疎石の教えとは。

「禅」は戦の指導者たちにどう向き合ったのか。対立し傷つけ合う人々を受けとめる心 の あり方がますます問われるいまも、時代を超えた考え方の手がかりがここにある……!  

 激動の南北朝時代を「禅」を機軸に描き直した服部版・太平記。

引き続きe-BOOK 刊行を予定しております。
bottom of page